平成22年6月愛知県議会本会議一般質問

県議会活動報告

平成22年6月県議会の本会議において次のテーマについて一般質問を行いました。
(1)空港問題について
(2)交通政策について

県営名古屋空港からの日本航空(子会社ジェイエアー)の全便撤退問題についてや、ピーチライナー廃止後の問題や名古屋高速道路の料金体系の問題などを含めた総合交通政策について、私の議論を展開し、意見を申し述べ、県当局の考えを質しました。

愛知県議会のホームページに議事録が未だアップされていません(7月中旬確認時点)ので、とりあえず手元の質問原稿をアップしますので、是非ご一読いただければ幸いです。

平成22年6月22日本会議

 私は、2年間の進行係を努めさせて頂きまして、本日、久方ぶりにこの壇上に登壇させていただきました山下史守朗であります。
 私は、一つ空港問題について、二つ交通政策について、大きく2つのテーマで質問いたします。
第1のテーマ、空港問題は、特に県営名古屋空港の日本航空路線撤退問題についてであります。いささか元気の出にくい内容ではありますが元気良く質問させていただこうと思いますので、宜しくお願い申し上げます。
 さて、ご承知の通り、名古屋空港は平成17年2月、万博開催の年に、中部国際空港の誕生と同時に、県営空港として再出発いたしました。
 本県が、経済界や地元自治体、学識経験者、などとともに、平成15年3月に策定した「名古屋空港新展開 基本計画」に掲げられた4つの機能、すなわち①コミューター航空の活動拠点、②ビジネス機の受入拠点、③小型常駐機の活動拠点、④広域防災拠点、でありますが、これら4つの機能を基本として、名古屋空港はこれまでその展開が図られてまいりました。
 全国初の平面型乗降施設であるフィンガーコンコースの設置やビジネス機の手続きの簡便化を図るなど様々な工夫や支援策によって、昨日の知事答弁にもありました通り、現在、名古屋空港におけるコミューター航空の旅客数は予測値を上回っており、またビジネス機についても国内トップクラスの利用があるなど、県営名古屋空港は順調に整備運営がなされてきたと言って良いと思います。
 また、私が平成17年2月議会で提案させて頂きました宇宙航空研究開発機構JAXAの飛行研究施設の誘致について、知事を先頭にご努力頂き、いよいよ今年度、施設整備に着手できる運びとなりましたことは、私も大変嬉しく思っているところであります。
 当初の基本計画に加えて、こうしたJAXA、あるいはMRJといった航空宇宙産業の中核基地としての機能も加わり、県営名古屋空港は、小さいながらも夢の持てる個性派空港として、現在まで着実に発展を遂げてまいりました。
私は、県の名古屋空港に対するこれまでの取組については高く評価しているところであります。
 しかし、ここに来て、日本航空の経営破綻によって、子会社ジェイエアが名古屋空港の9路線全てから撤退するという大変大きな問題が発生してまいりました。
 公的支援を受けた日航の社会的責任はどこにあるのか、誠に遺憾であります。民主党政権は我が国の航空ネットワークのあり方をどのように考えているのか、また地方の経済発展についてどういったビジョンを持っているのか。今回の事態への対応に国としての責任感は全く感じられません。
名古屋空港にとって唯一のコミューター航空事業者であるジェイエアの全便撤退は致命的ともいえる大きな痛手となります。
午前中の水野富夫議員が述べられました通り、名古屋空港は戦時中の旧陸軍による農地の強制的な接収と勤労奉仕令による周辺住民の動員によってつくられた空港であり、自衛隊機の墜落事故や騒音問題を始めとする幾多の困難の中、周辺住民と空港とが共存のために血のにじむ努力を行ってきたものであります。その点で、近年つくられた他の地方空港とは全く違う立場にあります。
私は我が国における自衛隊の存在意義について十分理解しておりますが、地元においては今回の日航撤退が滑走路を共用する航空自衛隊の基地機能強化につながったり、更には米軍基地問題が飛び火してこないかといった懸念の声が聞かれるところであります。
 また、地元の経済界では日航路線の存続を願う署名活動を行っており、昨日までに小牧商工会議所で約8500人、豊山町商工会で約15000人の署名が集まるなど、この問題に地元住民は大きな関心を寄せております。
今月上旬、県が路線維持に向けた日航支援の断念を表明したとの報道がありましたが、昨日の代表質問に対する知事のご答弁によれば、日航路線存続に向けて県として引き続き努力していく考えが示されました。なんとしても存続できるよう、県には設置管理者として、最大限の努力を願うものであります。
万一、全面撤退となれば復活の可能性は極めて厳しくなることから、例え1便だけでも存続させることが極めて重要です。現在の路線に限らず、例えば報道にあるように中部空港の花巻便や青森便の名古屋空港への移管も選択肢のひとつです。日航として一旦名古屋空港から全面撤退した後の復活はコスト高となり容易ではないでしょうから、引き続いての運航を目指さなくてはなりません。
県は現時点では日航路線の存続に全力を上げるとの姿勢ですが、万一の時は、あらゆる代替案を模索してコミューター航空路線の維持を図るべきであります。
いみじくも昨日、全日空がローコストキャリアへの参入を検討しており早ければ来年度中に運航を始めるとの報道がありました。国内線についても高速バス料金並の1万円以下の格安運行を想定しているようです。
また、先ほど水野議員が提案されたように、地域密着の航空会社を立ち上げ、観光振興の取組と一緒に育てていくというような大胆な発想があっても良いと私も思います。
ここで、ひとつ心配するのは、県が中部国際空港に対して遠慮をするというようなことがないかということであります。中部国際空港の2本目滑走路の建設と24時間運用化について県が力強く支援していくのは当然のことですが、一方で名古屋空港は県営空港であり県が第一に大きな責任を負っていることを忘れてはなりません。
中部国際空港との住み分けについては開港までに議論は終わっているはずですが、現在、一部にそれを蒸し返すような発言が出ていることに大きな懸念を持っております。
名古屋空港と中部国際空港との関係については、平成15年の「新展開 基本計画」で、「名古屋大都市圏に性格の異なる2つの空港が存在し、両空港がそれぞれの航空ネットワークを構築することにより積極的に航空輸送サービスの最適化を図り、両空港が異なる機能を果たしながら、連携・補完して名古屋大都市圏の発展に寄与していく」と明示されており、定期航空路線を中部国際空港に一元化する一方、当時定期航空路線に含まれなかった小型機によるコミューター航空を名古屋空港で展開するという住み分けがなされているところです。
また、報道によれば、中部経済界の一部などには、名古屋空港はコミューター航空路線がなくなってもJAXAやMRJなど航空宇宙産業の基地として活用すれば良いではないかといった見方があるようです。
しかし、これらは全く別々の話であります。しかも、名古屋空港における航空宇宙産業の取組はまだ緒についたばかりであり、その成果が地元の産業や地域経済に波及していくのはしばらく先のことでありましょう。地元・小牧市としては空港があっても常滑市のように固定資産税が入るわけではなく、コミューター航空の利便性すらなくなれば、現時点では、航空機の騒音とリスクを被るばかりで、何も良いことがない、空港周辺自治体への配慮はどこにあるのかといった強い反発の声があがっており、私は大変心配をしているところです。
そこで、以下質問いたします。
私としては、航空路線を維持し、この地域の貴重な財産である名古屋空港の有効活用、その展開を図っていくことは、愛知全体にとって意義のある大変重要なテーマであり、決して地元のエゴだけではないとの思いであります。
現在のような中部国際空港と名古屋空港の2空港共存共栄体制は、この愛知の発展にとって引き続き不可欠なものだと考えておりますが、知事の1都市2空港体制に対する認識、想いを改めてお聞かせいただくとともに、平成15年に示された「名古屋空港新展開 基本計画」に沿って県は今後もご努力を続けていかれるお考えか、お伺いしたいと思います。

次に、第2のテーマ、交通政策についてお伺いしてまいります。
まず、総合交通政策についてであります。
我が国は、世界でも類を見ない超高齢社会を迎えつつあります。
こうした中、クルマを運転することができない、いわゆる交通弱者と呼ばれる人たちが増えております。
高齢者を始めとして誰もが自ら自由に移動できる社会資本の整備は、今後の我が国において一層重要なテーマになってくると考えておりますが、首都圏を除く我が国の状況、特に愛知の状況を考えますと、完全なクルマ社会となっており、公共交通は極めて脆弱であると言わざるを得ません。
現在のように、都市機能が無秩序に拡散した状態を改め、生活に必要な都市機能を集約化することや、クルマに頼らない移動手段の提供、すなわち公共交通サービスの充実を図ることの重要性を改めて認識しなければならない時期に来ていると考えます。
いわば、都市全体のユニバーサルデザイン化が求められております。
私は、これまでの交通政策は、クルマ社会を助長する方向に過度に行き過ぎていたのではないかと感じています。
例えば、日本で渋滞緩和のための政策といえば、イコール「道路拡幅」あるいは「バイパスの整備」この一本槍の政策であったといっても過言ではないでしょう。確かにバイパスなどの道路整備を行うことで渋滞は緩和され、利便性も向上し、自動車交通は一層便利になります。しかしその一方で、クルマ依存がさらに強まれば、公共交通の利用率は低下します。現在の制度では、公共交通の運営は主に民間に委ねられており、需要と採算性が求められておりますから、利用率の低下は即、公共交通の存廃問題につながっていきます。
このように現在の道路政策と公共交通政策とはいわば天秤のような逆相関の関係にあるわけですが、この両者に対する行政の取組姿勢は極めてアンバランスではないかと思えてなりません。道路が大変重要な社会インフラなのは間違いないところですが、行政は道路政策については積極的に道路整備を進める一方で、公共交通政策についてはといえば、「公共交通を使いましょう」と利用を呼びかける啓発運動程度というのでは、公共交通の充実は望むべくもなく衰退の一途を辿るしかありません。本当にこのままで良いのでしょうか。
特に、規制緩和によって公共交通の廃止が許可制から届出制へと変更されてからは、採算が取れないとの理由で地域の大切な足である公共交通の廃止が加速しているのが現実です。地域の多くの路線バスや小牧市のピーチライナー、そして今話題となっている伊勢湾フェリーについても、ご承知の通りの状況であります。
これからの高齢社会においては、社会資本として、道路を提供するのみでは不十分であり、移動手段そのものを提供する必要が生じてくることを強く認識しなくてはなりません。
海外の例を見ますと、1980年代からヨーロッパやアメリカの諸都市を中心に路面電車の見直しと再整備が進められました。
既存の道路を撤去するなどして、新たにライト・レール・トランジット“LRT”と呼ばれる路面電車の導入が多くの都市で進められましたが、この公共交通の導入は渋滞の緩和や交通弱者対策に寄与しただけではないようです。自動車交通の発達によって居住地や店舗立地が都市外延部に拡散し、都心の活力が低下する傾向にあるというのが多くの国の多くの都市の共通の悩みでありますが、LRTの導入によって実際に多くの都市で都心の賑わいが戻ってきたというのであります。
また、これらの都市では、LRT導入と同時に、過度な自家用車利用を抑制する「交通需要管理」の考え方が導入されております。
先日視察してまいりましたシンガポールでは、公共交通は政府が運営するとともに、自動車交通には積極的な規制を設けておりました。交通が集中する一般道路にETCを配置し時間帯などによって弾力的な課金を行うことで交通の流れのコントロールを図るなど、いわゆるロード・プライシングと呼ばれる手法も活用されており、日本でもそうした多角的な道路政策を導入する必要性があると考えます。
私は、今後の超高齢社会を見据えると、過度のクルマ依存社会から抜け出し、公共交通との賢い使い分けができる社会の実現が強く望まれていると思いますし、そのために多角的な道路政策を導入するとともに、公共交通についても民間任せ、需要任せではなく、行政がより積極的に関与し、自動車交通と公共交通のバランスのとれた社会資本整備を進めることが重要であると考えます。
 そこで質問ですが、本県においても、公共交通政策と道路政策との整合を図り、総合的に交通政策を展開していくことが重要であり、大胆な考え方の転換や総合的な企画調整機能が必要であると考えますが、県としての考えをお伺いいたします。

また、現在、県では、クルマと公共交通、自転車、徒歩などを賢く使い分ける「エコ モビリティ ライフ」の推進を県民運動として展開しているところですが、「エコ モビリティ ライフ」の重点取組事項の一つにパークアンドライドがあります。
私は、この「パークアンドライド」の一層の普及について大いに賛同するものですが、これについてもその推進方策が県民への啓発運動だけというのでは誠に心もとないものであります。
そこでお尋ねしますが、県は、道路や路線毎の通勤通学等の移動人口を始め交通実態をどのように把握しているのでしょうか。具体的な路線や駅等の状況、例えばパークアンドライドに使用する駅周辺の駐車場などの状況についてはどのように把握し、今後のパークアンドライドの推進にどのように活用しようとしておられるのかお伺いいたします。

ここで、桃花台線廃止後に残されている課題について触れたいと思います。
桃花台線廃止後、桃花台から小牧駅へは代替バスが運行されておりますが、バスによる輸送は軌道輸送と異なり交通渋滞がさけられず、特に朝夕のラッシュ時のバスの速達性や定時性をいかに確保するかという課題があります。
また、桃花台線の車両基地跡地やインフラ構造物をどうするかといった課題については廃止時点から全く進展していません。市民からは「いったいどうなるのか」「早く方向性を出していくべきだ」といった声が日増しに強くなっております。
桃花台ニュータウン内にある車両基地跡地は3.4ヘクタールの広大な土地で、桃花台新交通㈱の清算に伴って今は県と小牧市が共同所有しており、一部暫定的な活用がなされております。
桃花台線廃止後の桃花台ニュータウンは、最寄りの鉄道駅までバスで20分以上かかる地域となってしましましたが、ここにひとつ希望の持てる事柄があります。
ニュータウンには中央自動車道が縦断し、そこに一日に往復で100本以上の都市間高速バスが走っているのですが、「桃花台バス停」からこの高速バスに乗車すれば、栄まで3、40分程度、名古屋駅まで4、50分程度で到着することができるのです。
 実は、車両基地跡地は、ちょうどこの高速バス「桃花台バス停」の隣に位置していることから、この跡地を上手く活用することができれば、地域住民が高速バスを利用しやすい環境をつくることができるのではと、考えています。
 そこで質問ですが、ここに地域巡回バスのバス停や月極駐車場、時間貸駐車場及び駐輪場を設置するとともに、出入りのアクセス向上を図るなどすれば、公共交通の利用促進と地域住民の利便性の向上につながると考えますが、県はこの公共交通のための活用策についてどのように考えておられるでしょうか。
次に、高架橋などのインフラ構造物についてですが、これは撤去するとなると100億円とも言われる巨額の費用がかかるとされていることや国の補助金返還問題もからんでくることから、できれば壊さずに利活用したいというのが県当局の想いでありましょう。
県から委嘱された学識者などからなる「桃花台線インフラ利活用懇談会」から昨年3月に提言がなされましたが、その提言内容は「導入可能な公共交通システムとしては、高架インフラ部を重量の軽い小型車を走行させる道路として活用し、下を走る国道155号バイパスの混雑緩和を図るとともに、交通量が軽減される平面部にバスレーンを設置して、バスの速達性を確保するシステム」とされ、「国道41号から国道19号までの4車線化が完成する時期までに整備してはどうか」というものでありました。
ちなみに、これは桃花台線の真ん中、国道155号バイパス上の直線部分3kmについてのみの提案であって、桃花台線全7.7kmのその他の部分については別途検討が必要とされております。
そこでお尋ねします。現在、桃花台線の構造物の利活用については、懇談会からの提言を受けた愛知県と小牧市が「桃花台線インフラ利活用検討会」において検討しておられるとのことですが、現在の桃花台線のインフラ構造物の利活用計画についての検討状況はどうなっているのでしょうか。
桃花台線廃止から3年9ヶ月が経とうとしています。
いずれも地元の関心が高い事項であり、早期に県の考え方を示して頂きたいと存じます。

次に、高速道路政策についてお尋ねします。
 今回この問題を取り上げるのは、現在、我が国の高速道路政策の考え方が大きくゆらいでいるからであります。高速道路が国政において政争の具として利用され、本質的な議論もなく安易な値下げ議論がなされている現状は憂慮すべき状況であります。
本来、高速道路に期待される役割は何か、そこにおける高速道路料金とはいかにあるべきかといった、もっと本質的な議論がこの際必要であります。
 民主党政権は、今月28日より地方の一部の高速道路の無料化を実施すると発表しました。民主党マニフェストによれば首都高速と阪神高速を除く全ての高速道路について原則無料化することとなっております。
 しかし、高速道路の無料化は、果たして望ましいことなのでしょうか。賢明な皆様に  とっては何をいまさらという議論でありましょうが、まずはこのことから、今一度考え方を整理してみたいと思います。
 そもそも高速道路に期待される役割とはなんでしょうか。それは「一般道路よりも速い速度で人やものを運ぶ効用を提供すること」に他なりません。速い速度すなわち高速での移動ができなければ高速道路の意味は全くないと言えます。
 しかし、無料化を行えば、本来高速料金を支払ってまで急ぐ必要がないクルマも安易に高速道路を利用することとなり、当然交通量が増大して混雑や渋滞を引き起こし、結果として高速道路に期待される高速移動という効用を提供することが困難となることは、休日1000円といった時の渋滞状況を見れば明らかであります。
すなわち高速料金には料金抵抗によって交通量をコントロールする役割があると言えるわけですが、高速料金の設定によって、対価を支払ってでも本当に高速移動を必要とするクルマがきちんと高速移動できるようにすること、これは円滑な経済活動を実現するためにも非常に重要なことであります。
では、そもそも高速道路料金とは何なのでしょうか。それは、例えるならば、鉄道で言うところの特急料金であります。移動するという効用を得るためには一般道路で十分であり、これは鉄道でいう普通料金に当たりますが、道路の場合はガソリン代等がその料金に当たるでしょう。これに対し、高速道路の利用は一般道路のような単なる移動という効用に加えて、「速い速度での移動」すなわち「速達性」という付加価値が付くわけであり、その「速達性」という効用に対して支払われる「追加的な」料金が高速料金であると考えられます。つまり、鉄道における特急料金と同様に、高速道路における高速料金は「高速移動」という「速達性」の効用を得るための「追加的」対価として、人の自由な支払意思によって支払われるものなのです。したがって受益者負担が原則となります。
こうした考え方については少し考えれば誰でも理解できることだと思いますが、統計研究会会長の宮川公男一橋大学名誉教授は高速道路料金の在り方について「永久有料が正しい」とした上で、さらに詳細な考察をされておられますのでご紹介したいと思います。
宮川先生の説を私なりにごく簡単に申し上げれば、高速道路をつかった高速移動の効用は、一般道路をつかって移動した場合と比較して、どれだけ時間が短縮できたかという時間コストで測られるべきである。例えば一般道路が混雑して進まない地域では高速道路による高速移動の効用は大きく、逆に一般道路が空いている地域では高速道路で得られる効用は低い。したがって、現在の1km=24.6円という全国「画一料率制」の下では同じ料金を支払っても得られる効用に大きな差があり、ある地域では大渋滞、別の地域はガラガラの高速道路が現れるのは当然である。したがって、地域間の不公平が大きい現在の画一料率制を改め、得られる効用に応じた地域毎の弾力的な料金設定とすべきだ。というものであります。
 さらに、宮川先生は、現在の「償還主義・償還後無料開放の原則」は、償還期限までの利用者が全てを負担し、その後の利用者の負担をゼロとしているが、これは明らかに不合理かつ不公平な考え方であると指摘しております。「償還主義」が高すぎる高速料金を生む要因となって、弾力的な料金設定の機会を奪っているのです。
以上の議論から導かれる結論の一つは、高速道路が高速道路としての機能を果たしていくためには、この先ずっと無料にすべきではない。「永久有料であるべきだ」ということであります。
この考え方は名古屋高速道路の場合も当てはまるものだと思いますが、名古屋高速の場合には、加えて、整備計画をさらに追加して延伸しようとすると現行より更に料金を上げざるを得ないこと。償還期限後の管理コスト、大規模改修や建替が必要になった時の費用をどうするのか決まっていないこと。などの問題も指摘しておかなければなりません。
こうしたことから、現在の制度は不合理・不公平・不完全なものであると言え、国の高速道路の考え方が大きくゆらいでいる今日、本質的な議論を土台として、現在の制度設計について改めて考え直しても良いのではないかと考え、問題提起をさせて頂いた次第です。
名古屋高速道路については、現実的な選択肢としてまずは償還の延長を行って、そこで浮いてくる財源を、整備計画の見直しや料金の値下げ、ETCを活用した弾力的な料金設定による交通の円滑化等に活用していくべきではないでしょうか。
そこで、質問いたします。
名古屋高速道路について、償還の在り方、料金の在り方など、現在の制度上の考え方に捉われず、高速道路として本来期待される役割や施設の世代を超えた継続的利用の観点などから、今一度、原点に立ち返って、本質的な議論を通じて、考えるべき時期ではないかと考えます。
それを踏まえて、有料道路に関する国の制度について変更が必要であれば、積極的に国に働きかけることなどによって制度に意見を反映させるべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

ところで、もう一つ是非ともご検討頂きたいことがあります。
名古屋高速道路は、名古屋環状2号線外側の尾北線料金圏(普通車350円)と内側の名古屋線料金圏(普通車750円)の2つの均一料金制となっております。これにより、2つの料金圏に跨る利用者は割高感を感じております。特に、名高速11号小牧線については、一宮線と異なり、名古屋都心に向かう場合には、名古屋環状2号線の直前に出口がないため必然として高速1号楠線に入ることとなり、最初の黒川出口で下りたとしても、最低900円の料金がかかることになります。
都心に向かう場合、他の地域から名古屋線に入る場合には必ず手前に出口があることと比べ、名古屋線との一体利用を前提とせざるを得ない、小牧線の利用者は大きな不満を感じております。
ETC通行者には端末特定区間割引があり、一定の不公平感の是正措置はなされているところですが、料金体系の見直しなど抜本的な対策をとることはできないでしょうか。
お尋ねをいたします。

以上、空港問題についてと交通政策について質問してまいりました。
知事始め県当局の誠意と熱意あるご回答を期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。

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